まずはじめに 4「精読の手順」

R塾代表の宮本智です。

 

今回は精読の方法です。

まずもう一度ウルトラ4兄弟を確認します。

これは上から偉い順でしたね。

 

 

記憶が復活したら例文へ進みましょう。

いいですか。

では、一時停止してこの例文の訳を考えてください。

では行きますよ。

 

 

I put on this dress the diamond ring which he had bought for me in Paris.

で、ここで意味が分かれば次の文へ行って大丈夫ですが、文意が取れなかった人、または例えば次の様な訳をした人はもう一つのアプローチを取ります。

「ダイヤの指輪付きの このドレスを着た。」

この様な訳をやってしまった人はこう見てるはずです。

 

put on は熟語帳で勉強した。後ろにドレスもある。

the diamond ring は気になるけど、空気を読んで、こうやってしまえ。

これが間違いです。

 

まず、大切なのは熟語や構文はよくあるパターンであって必ずそうなるわけでないということです。

この文はハイレベルでも何でもありません。大学入試共通テストレベルです。

それでも、基本的な英語のシステムを無視して、記憶したものを当てはめるということをやると間違えてしまうのです。

左に問題、右に解説・和訳がある様な有名文法問題集さえやれば良いと考えている生徒に多い甘い考えです。

そんな原始的なAIでもできそうなことを大学側が求めるわけがありません。

 

また、返り読みしないという幻想にとらわれるのも良くありません。

よく左から右に向かって読みべきであると言われます。

これは1回目はその通りです。それ以外はできません。

ただ、1回目でよくわからなかったのにまた同じく左から右に読むのは得策ではありません。

また、日本語でも実は皆返り読みしています。そうでないと理解できない文もあります。

何が何でも左から右に読むというのは偏った読み方です。

 

 

ではそのもう一つのアプローチです。

それは英語のシステムと日本語ネイティブの調整に則って構造を取るということです。

それは例のウルトラ4兄弟を利用して手順を明確化されたものです。

それを紹介します。

 

 

5段階あります。

最初は煩わしく感じますが、R塾の精読でトレーニングして英語力が上がってくれば、1回目に読む段階で構造を把握できる様になります。自分の成長に期待してくださいね。

 

 

まず、動詞に下線を引きVと書き、等位接続詞に丸をつけながらピリオドまで読みます

等位接続詞は and, but, orだと思っておいて今の所十分です。

 

動詞下線、等位接続詞に丸をつける。と何度か唱えたら例文で確認します。

この文で動詞は put と had bought です。put on で変だと考え、熟語を使うのではないと思ったら、基本に戻って動詞だけに線を引く感じです。

これで手順1は終わりです。2へ移りましょう。

 

 

2は接続詞・関係詞に丸をつけ、その直前でカッコを開くです。

 

ここでめっっっっっっっさ大事なのは、動詞の数-1=接続詞・関係詞の数だということです。

必ず記憶してください。

つまり、動詞が1個なら接続詞・関係詞は0個、動詞が10個なら接続詞・関係詞は9つです。

これに合わない場合は何か構造把握で間違っていると考えてください。

もちろん例外はありますが、今ここで例外まで把握すべきではありません。

原則を覚えれば例外はかなり覚えやすくついてくるものです。

今の場合、動詞が2つなので接続詞・関係詞は1つです。それ以外は絶対にありません。

そこで事前に記憶して知っていた関係詞 which に丸をつけカッコを開きます。

これを読んでいる段階では、カッコは開きっぱなしで良いです。

そこから塊が始まるのがわかれば良いのですし、かっこを閉めるのは割と高等技術ですし、する必要のないことがほとんどです。

そして重要です。

ここで主節がわかります

前に接続詞・関係詞が付いていない動詞を中心としている部分が主節です。

詳しくは主節の授業で覚えましょう。

手順3へ行きましょう。

 

 

一文が長いなと思ったり、ややこしいと感じたらこれやろう。

 

前置詞+名詞副詞Mにして一旦無視し、準動詞があれば固めます

前置詞は名詞を見つけてワンセット、Mにする。ここも同じ。

そんでMは無視のMなんで、一旦外して考えるんで消してしまおう。

 

 

そして主節のみにして構造をとります。

 

緑で囲われてるところは主節でないので、ちょっと置いといて、上だけで考えよう。

動詞は put だね。これ意味は?置くと覚えてるね。

では自動詞か他動詞のどちらですか?

「私は置いた」で話が通じれば自動詞、「~を」が欲しくなったら他動詞です。

となると「私は置いた。さよなら。」って言われたら気になって夜も眠れません。

何を置いたんだ。。うんこか爆弾か?何か言えよって思うはず。

つまり、辞書を調べるまでもなく put は他動詞だと自分で考えられました。

しかし、今この動詞は主節で扱われています。

主節は必ず完全な文というのを思い出すと、「~を」の部分がないと困るよね。変だなと思いながら、一旦後ろを見ましょう。

そうするとダイヤの指輪があります。意味はどうでも良いです。

それよりこれは何詞ですか?

名詞ですね。どんな意味であろうとも、英語の場合、名詞はS,O,Cか後ろに置かねばなりません。

前置詞は直前にありますか?あるという人は、私ではなく眼科医に相談してください。

前置詞はありません。そうすると場所的に O か C のどちらかにしかなりません。

そこで、おやおや、先ほど put に O がいるはずなのにいませんでしたね。

後ろに名詞が余っていて大変だ。

もうわかりますね。この名詞を O にして訳します

私はダイヤの指輪を置いた。

これがこの文の幹の部分です。

筆者がそう設定したのです。英語はカタチに出すのでこういうことができるのです。

よく高校英語ではスラッシュが使われたりしますが、スラッシュは読解ではかなりレベルが上がってから使ってください。

スラッシュできると、流れが分断されこういう風に構造が取りにくくなります。

 

 

では最後。

説明が必要なところに M をかけて内容を掴みます。

 

主節だけの「私はダイヤの指輪を置いた。」で基本的な意味は取れます。

しかし、これを恋人から言われたらどうでしょうか。

10年後くらいのカッコイイ自分を想像してください。

「彼が買ってくれたダイヤの指輪…置いちゃった。」と言われたらどうですか。

おそらく安くはないはずです。

しかもこれ、パリで買ってます。

それはもちろん言いますよね。

どこに?

「どこに置いたのよ!!??」

そうです。ここで置いたという動詞そのものに説明が必要なんです。

さあ、あいつらが帰ってきますよ。

一旦無視した Mが、また来いよの M として帰ってきます。

確か、ウルトラ4兄弟で、何かを説明するのは形容詞か副詞でしたね。

今説明が必要なのは動詞です。

名詞ではありません。名詞以外です。

ということはこの前置詞の塊を副詞として扱って put にかけます

「このドレスの上に置いた」です。

これで完成しました。

 

 

どうですか?

このやり方は慣れるまではスピードも落ちますし、めんどくさく感じるかもしれませんが、

必ず早く処理できるようになります。

下線部和訳などでも威力を発揮します。

私の授業では全てこれで行くので、早めにマスターできると思いますよ。

今回はこれまでですが、情報量が多いので、何度か視聴して自分で解説できるくらいにしておくと良いです。

 

お疲れ様でした。

 

 

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